© Lupinの映画紹介ブログ All rights reserved.
映画『海の上のピアニスト』 ― 海の上で生涯を過ごした男 ―
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ / 製作:フランチェスコ・トルナトーレ / 製作総指揮:ラウラ・ファトーリ、マルコ・キメンツ / 原作:アレッサンドロ・バリッコ / キャスト:ティム・ロス、プルイット・ティラー・ビンス、メラニー・ティエリー、クラレンス・ウィリアムズ3世、ビル・ナン / 原題:The Legend of 1900 / 製作年:1999年 / 製作国:イタリア・アメリカ合作 / 配給:アスミック・エース、日本ビクター / 上映時間:125分
映画『海の上のピアニスト』は、あるピアニストの生涯を描いた作品だ。
彼は皆に「1900 (ナインティーン・ハンドレッド)」と呼ばれていた。
1900は、船の上に生まれ、一生を船の上で過ごすことになるのだが、実は一度、船から降りる決心をしていた。
彼は、船の中で恋をした女性を追いかけて降りるつもりだったが、降りる直前になって思い止まった。
なぜ、1900は船を降りなかったのだろうか。
彼は船を降りようとする瞬間、何を感じたのだろうか…。
映画公開の翌年2000年には、ゴールデングローブ賞を受賞した感動作となっている。
問題は目に映ったものでなく、映らなかったものだ
『海の上のピアニスト』の中にはいくつか素晴らしい台詞がある。
映画の最初と最後に出てくる台詞
「何かいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない。」
には、1900の友人コーンが彼と共に過ごしたことで感じたささやかな希望が描かれていて、ぐっと(泣)くる。
ただ、私は1900が船を降りようとしたときの心情が描かれたシーンが1番好きだ。
友人コーンは、1900に船から1度降りてみることを勧める。
「船を降りろよ
一度だけ 一度でいい 外の世界を見ろ 自分の目で
一生 海を行ったり来たりして過ごす気か?
世界はあっちだ タラップを下りればいいんだ ただの階段さ
タラップの先には新しい世界がある 行ってみろ 一度でいい」
それに対し、1900は
「あの大きな町。終わりがなかった。
タラップまではよかった。 さっそうとコートを羽織って。カッコよかった。
降りることは平気だった。それは問題なかった。
問題は目に映ったものでなく、映らなかったものだ。」
と語っている。
1900が船の上で感じることのできた興奮が、船の外にはなかった。
結局、最後にダイナマイトによって船が解体されるのだが、そのときまで中にいた彼は…。
【関連サイト】
新品価格 |
新品価格 |
ピアノソロ 映画「海の上のピアニスト」 THE LEGEND OF 1900 (ピアノ・ソロ) 新品価格 |
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
映画『ウォール・ストリート』 ― 金よりも大事なもの ―
監督:オリバー・ストーン / 製作:エドワード・R・プレスマン、エリック・コペロフ / 製作総指揮:バド・カー、セリア・D・コスタス / キ…
映画『きっと ここが帰る場所』 ― シャイアンの止まった時間 ―
監督:パオロ・ソレンティーノ / 脚本:パオロ・ソレンティーノ、ウンベルト・コンタレッロ / 撮影:ルカ・ビガッツィ / 美術:ステファニア…
映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』 ― 若者が生きる現代とは ―
監督:押井守 / 脚本:伊藤ちひろ / 製作:奥田誠治、石川光久 / 原作:森博嗣 / キャスト(声の出演):菊池凛子、加瀬亮、谷原章介、栗…
映画『ソーシャル・ネットワーク』 ― 天才であることの孤独 ―
監督:デビッド・フィンチャー / 脚本:アーロン・ソーキン / 製作:スコット・ルーディン、マイケル・デ・ルカ、シーン・チャフィン / キャ…
映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』 ― 頑固さの中にこそある頼もしさ ―
監督・製作:マーティン・ブレスト / 脚本:ボー・ゴールドマン / 製作総指揮:ロナルド・L・シュワリー / 撮影:ドナルド・E・ソーリン …
映画『アイズ・ワイド・シャット』 ― 好奇心を駆り立てる ―
監督:スタンリー・キューブリック / 脚本:スタンリー・キューブリック、フレデリック・ラファエル / 原作:アルトゥール・シュニッシラー /…
この記事へのコメントはありません。