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映画『菊次郎の夏』 ― 子どものころの夏の日々 ―
監督・脚本:北野武 / プロデューサー:森昌行、吉田多喜男 / 協力プロデューサー:坂上直行 / キャスト:北野武、関口雄介、岸本加世子、吉行和子、グレート義太夫 / 製作年:1999年 / 製作国:日本 / 配給:日本ヘラルド、オフィス北野 / 上映時間:121分
映画『菊次郎の夏』は、1999年に公開された北野武監督作のロードムービーだ。
この作品の一番素晴らしいところは、映画の世界観を形作っている「音楽」にあるだろう。
映像じゃないのかと疑問に思われるかもしれないが、私は良い映画ほど音楽が素晴らしく、また、素晴らしい監督ほど音楽を含めた「音」に徹底的にこだわっていると思う。
映画はつい映像に見とれてしまいがちだが、実は良い映画を良い映画たらしめているのは、「音」によってなのである。
まずは是非メインテーマである久石譲作曲の『Summer』をお聞きいただきたい。
誰にでもある子供のころの夏休みの日々
この映画は、小学三年生の正男が遠く離れて暮らしている母親に会うため、近所に住む中年のおやじ・菊次郎に連れられて旅に出る物語である。
旅の途中、正男は色々な経験を通して成長していく、笑いあり、涙ありのストーリーだ。
私はこの映画を観ると、自分が小学生のときに過ごした夏休みの日々を思い出す。
熱い日差しの日々がまるで永遠に続くかのように思えるほど、たんたんと毎日が過ぎていく。
特にしなければいけないこともなく、だらだらと過ごしてしまうのだが、もし正男のように、得体の知れないおじさんと一緒に旅に出るとなったら、正に夏休みの一大イベントだ。
笑いあり、涙あり、楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、気づいたら夏休みももうすぐ終わり。
1か月ほどの短い期間ではあるが、子どもにとっては一つの人生が終わってしまうかのごとく感じてしまう。
そして、一歩また一歩と、大人へと成長していくのだ。
【関連サイト】
【名作】「菊次郎の夏」の少年と旅のおじさん、ロケ地の現在・・・・・ – NAVER まとめ
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